https://mastra.ai/blog/mastra-mcp からのllmを用いた意訳である
AI エージェント向けツール統合の現状は混沌としている。「MCP Calendar integration」の検索結果からも明らかなように、どの実装が最適かを判断する統一基準がない。ツールの発見、インストール、設定は未解決の課題である。
Mastra では、この問題に取り組み、Anthropic の Model Context Protocol (MCP) が エージェントとツールの相互作用の将来 であると確信している。
競合する標準規格
現在、複数のアプローチが競合している:
Agents.json (Wildcard)
Agents.jsonは OpenAPI を拡張し、LLM 向けに API 相互作用を最適化する。開発者向け API と LLM 用 API の乖離に対処し、既存 API に文脈情報を補完する。
Composio
Composioは独自仕様と豊富な統合ライブラリを提供している。最近はMCP サポートも追加し、選択肢を広げた。
Model Context Protocol (MCP)
MCPは Anthropic 管理のオープンスタンダードであり、OSS コミュニティの協力で構築されている。AI アプリケーションの「USB-C ポート」として、LLM を外部ツールに接続する標準インターフェースを提供する。
MCP の課題
MCP エコシステムの主な課題は3つある:
- Discovery: ツール発見のための標準化された方法がない
- Quality: 集中管理されたレジストリや検証プロセスがない
- Configuration: 各プロバイダーが独自の設定スキーマを持つ
Shopify CEO の Tobi Lütke はMCP を「LLM ツールの USB-C」と表現しつつも、まだプロトコルだけで「プラグ」が欠けていると指摘している。
コミュニティは Official Registry や .well-known/mcp.json
などの規格で問題解決に取り組んでいる。
MCP の優位性
MCP には明確な利点がある:
- オープン性: 業界全体のプロトコルとして設計され、ベンダー非依存
- 業界採用: Zed、Replit、Codeium、Sourcegraph、Cursor などが実装
- 互換性: 他標準とのブリッジが可能
- 活発な開発: コミュニティによる継続的な機能拡張
Mastra の提案
Mastra では、フレームワークフレンドリーな MCP 統合を提案している。主な要素は:
- レジストリクライアント: ツールレジストリと標準的に相互作用するためのクライアント
- 設定と検証: サーバー定義の標準形式による設定スキーマの公開
- フレームワークレベル設定: 任意のレジストリに接続できる統一 API
import { MCPConfiguration } from "@mastra/mcp";
const configuration = new MCPConfiguration({
registry: "https://mcp.run/.well-known/mcp.json",
servers: {
googleCalendar: {
// Google カレンダー MCP サーバー設定
}
}
});
// 構成を Mastra エージェントに適用
const toolsets = await configuration.getConnectedTools();
const response = await agent.stream(prompt, { toolsets });
今後の展望
AI ツール統合はパッケージ管理の黎明期に似ている。npm install
が JavaScript のパッケージ管理を変革したように、MCP は AI エージェントとツールの相互作用を標準化する可能性を持つ。
Mastra のロードマップ:
- MCP サーバー向け標準インストール・設定フローの構築
- 仕様進化に応じた機能拡張
- ツール発見・設定のためのプリミティブ開発
MCP の標準化により、ツールの発見、設定、安全な利用が容易になるエコシステムの構築が可能になる。